四国の思い出 続その2

道後温泉である。何でも文献上は日本最古の温泉らしい。
どうですか?見覚えあるでしょ?

温泉の前に、まずは活気に満ちた楽しそうな街並みを歩く事にする。
松山は松山城を中心とした城下町である。夏目漱石の「坊ちゃん」の町。そして、司馬遼太郎の「坂の上の雲」でも有名である。いたるところに坊ちゃん、そしてマドンナがいるのである。さしずめご主人様はマドンナでありました。
坊ちゃん団子を食べながら、坊ちゃん列車を見て、マドンナのからくり時計をじっくり観察。プラプラしているだけでも楽しい。


さてさて、そろそろ温泉へということで一旦ホテルに戻り、お風呂支度をする。道後温泉の本館に入った瞬間、なんともいえない懐かしさを感じてしまう。扉を開けばそこは昔ながらの中華そばではなくて銭湯だった。
支度をしていると、そばにいたおば様が何とかという神様の話を熱弁しておりました。いざ!銭湯に・・・。ワ〜〜すでに大混雑しているではありませんか?お湯のそばで体を洗う人もいて、その様子は古き良き昭和を感じさせる。(三丁目の夕日なのだ)と言っても私は生まれてないから分からないけどね。ご主人様やライアンはその辺の事覚えているみたい。(イエイエ きっと誰かに聞いたのだと思いますよ)
その時代は銭湯も社交の場であったのかもしれない。赤子を抱えるご婦人がいると、まず子どもを先にお風呂にいれ、お母さんは後なのだ。ベッドで支度をしていると、そばにいたおば様が、「私が子どもの面倒見るから貴女、湯に浸かってきなさい」なんてね。みんなで子どもを育てた時代。子どもは社会の子。いろんな人の手を借りて大きくなる。そんな「子どもパラダイス」な時代でもありました。いつからか自分の子しか見えない母親が目立ってきて、これって残念な事だと思ったりする。
お湯に浸かり、周りを見渡せば、お年寄りの方が入り口にいると、そばといるご婦人がさっとドアを開けたり、足が不自由な方がいると、スッと寄り添ったりしている。
当たり前のことを当たり前に行う。人としての振る舞いが素晴らしい。ここには誰もが知っている「暗黙のルール」があるのだろう。
ゆっくりとお湯を頂き、良い気分。
お風呂から出ると、先ほどのおば様がまだ何とかという神様の話をしていた。
その神様はきっと良い方に違いない。そう思えた。
さぁ、これから食事と思いきや、せっかくだからもう一件の銭湯にも行こうということになり、「椿の湯」に行く。ここも素敵でしたよ。見事な温泉銭湯三昧の1日でありました。