小さなお葬式

実に悲しいお話を申し上げます。
実は、ご主人様の末妹のK子様が先月の30日にお亡くなりになり天に召されました。
昨年の10月より病が発症し闘病を続けておりました。生きることを希望とし前向きに諦めずに頑張っておられました。
最期の最期まで見守りお世話させて頂いたことが何よりの救いでございます。

昨日はそのご葬儀がございました。
小さなお葬式でした。
然しながら、誠に優しく温かい葬式でした。末妹のことを大切にしてくださった方々だけで行われた式でした。
綺麗な花に飾られ、眠っている故人はまるでお花畑で遊ぶ少女のように見えました。
末妹はヒマワリが好きだったそうです。もしかすると自身の旅立ちにこの季節を選んだのは彼女の思いなのかもしれません。

お坊様は実に素晴らしい方でした。まだ年若い妹を慈しみのお言葉で力強く見送って頂きました。ご戒名も優しい妹らしい名でした。
最後に命というものは「草の上の雫」のようなものと仰いました。

今日はご主人様のオウチの近くでは大規模な花火大会が催されております。
空に向かい大輪の花を咲かせる花火。そして、すぐさま消えてなくなるのです。花火も同じく儚いものなのですね。だから、美しいのでしょう。

このような悲しいお話をすれば、お心がある方は「ご主人様、大丈夫なのかしら?」とご心配されるのでしょうが、それには及びません。
長い時間、妹の病と向き合い見守ってまいりました、亡くなる7日間は階段を急いで降りるように急変悪化致しました。その様子で一つの覚悟が出来、愛する者へ何ができるのか、思慮する時間もございました。大人の対処として心に少しばかりの隙間を設けることも出来ました。
決して案ずる必要がないこと、まずはお伝え申し上げます。
本当に悲しいお話をお聞かせし失礼を致しました。