続・本を読むご主人様

早く秋になって欲しい〜今や切実な願いです。

さて、ご主人様の本です。
『あの家で暮らす四人の女』三浦しをん
お嬢様気質のおっとりした母親の鶴代、そして恋愛にも結婚にも縁がない引きこもり状態の刺繍作家の娘、佐知。その友人の雪乃と多恵美の四人が古びた洋館に何故か暮らしているのです。勿論、いろんな事件が起きる訳ですが、何故か、その館の回りには柔らかで穏やかな風が吹いているのです。

谷崎潤一郎の『細雪』に出てくる四人の女性の名前に似せ、それが下敷きにもなっています。
父もいない。男もいない。女だけ。それでも、その生活はまさに家族。最近は、家族という言葉がキーワードですね。

四人の女たちに吹く優しい風は、きっと、誰かに見守られているからかもしれません。
世の中というものは、見えているものだけが真実ではないような気もします。
大変心地よい本でした。