新型コロナウィルスで台湾の対策が評価されているようですね。まだ感染者が一人もいなかった時から、専門家や政府が危機感を感じ徹底的な対策をしていたようです。日本はやはり、その危機感がなかったのでしょうか。いろいろな面を反省させられます。日本にも、優秀な方は沢山いるはずなのに・・・
そんな中、イタリアミラノの校長先生のメッセージが素晴らしく、積もり積もっていた不安が癒されるようでした。すべてではありませんが、ほんの少しご紹介しますね。
それは十七世紀のミラノを襲ったペスト感染の状況を語るマンゾーニの名著『許嫁』の引用から始まります。
〔外国人を危険とみなし、当局間は激しい衝突。最初の感染者をヒステリックなまでに捜査し、専門家を軽視し、感染させた疑いのある者を狩り、デマに翻弄され、愚かな治療を試み、必需品を買いあさり、そして医療危機〕。そして、今の言葉として〔まるで今日の新聞を読んでいるようです〕とあり、〔冷静さを保ち、集団パニックに巻き込まれないでください。基本的な対策を怠らず日常生活を続けてください。そして、散歩に出かけたり、何より必要なことは良質な本を読んでください〕で結ばれる。何とも良い話です。
集団感染も恐ろしいですが、集団パニックももっと恐ろしいことなのです。きちんとした良き大人がいることが嬉しい。とご主人様は言っておられました。
という訳で、ご主人様は良き本を読んでいるそうですよ。
まずは、「すぐ死ぬんだから」内館孜子 著
高齢者の生活を面白く、また、それがもの悲しく、人生ってそんなものなのかな?家族と言えども秘密があったりと、老いてきて初めて見えるものもあるのでしょうか。気楽に読めて、老いていく未来がさほど、怖くなくなりました。楽しい本でしたよ。
「ある男」平野啓一郎 著
これは題名通りの「ある男」が主人公で、ミステリーであり、ヒューマンドラマでもあります。社会の歪に生きる人も沢山いる現実を考えさせられました。興味深く良き本でした。是非・・・
「リトル バイ リトル」島本理生 著
母親と父親の違う妹と三人で暮らす主人公。決して生活も楽ではないのですが、他愛無い日常から希望のエっセンスがこぼれるのです。頑張っている人を応援したくなる本です。この作品は著者が高校生の時に書いたもので凄い才能ですね。先日、「ファースト・ラブ」がドラマでやっていて、面白かったです。そしてその内容の深さに驚きました。映画にもなるようですね。ご主人様はこの本も読もうかなと言っておりましたよ。
そして、「誰でもかける一冊の本」荻原浩 著
恐らく、お父様のことを重ね合わせて、書かれているのだと思うのですが、家族を思う気持ちが淡々と描かれます。父親と息子の関係と言うのは、女性には分からないこともありますが、ほのぼのと温かい気持ちになりました。
「木霊集」田久保英夫 著
有名な作家ですね。これは短編集で読みやすく、面白かったです。やはり文章が綺麗で、そういう品に出会うと嬉しくなります。
小川洋子氏と言えば、「妊娠カレンダー」とか「博士の愛した数式」そして、以前このブログでもご紹介した「ことり」。本当に良い小説を書かれていますね。
これは、別な作家の短編を選んでいるのですが、その名のごとく、陶酔したくなる小説ばかりでした。
図書館から借りたものもあるのですが、ここ1~2ケ月の読書だそうです。今はミステリーをお読みのようです。またご紹介いたしますね。外出を控える分、家で出来ることを沢山見つけたいですね。読書や音楽鑑賞は良いですよ。