ご主人様の本便り

 早いものでお盆になりました。きっと、実家に帰ったり、ご家族と会ったりと忙しいことと思います。台風が心配でしたが、今のところ落ち着いているようですね。

 さて、ご主人さんの本便りです。

よく、雑誌とかでいろいろな方々の「おすすめの本」という特集を見ると、つい買ってしまいます。そして必ず紹介されるのが、梶井基次郎氏の「檸檬」です。

 著者は若くして病に侵され31歳でこの世を去りました。その生きたいという切望と、死にゆく肉体の悲しさ、屈辱がよく描かれています。まさに名作。素晴らしい文章です。無念です。お元気でもっと沢山書いてほしかったです。

 そして武田百合子氏もよく紹介されます。作家の武田泰淳氏の奥さまですが、その文章は体裁を重んじることもなく、本音をズバズバと書いているので、それだけでも楽しくなりました。今でこそ、ズバズバと書く作家は多いかもしれませんが、大正生まれのその時代には珍しいことだったと思います。それがまず、凄いと思いました。

 富士日記 遊覧日記 日日雑記 ことばの食卓・・・

 そして再び山本文緒氏。「プラナリア

「恋愛中毒」で好きになり、いろいろ読んでおりますが、これも面白かったです。

 乳ガンの手術をして、それから何もかも上手くいかない。無職をテーマにして、その生きづらさを描いています。出口がなく、もがいている様子が、何とも、誰にでも心当たりがあるような気がしますね。

「三千円の使い方」原田ひ香 著

 経済書のような小説で、いかにお金を大切に節約することが大変か!と思いました。人生は三千円の使い方で決まる。なるほどです。もう少し、若い時に読んでおけばよかったと思いましたね。今更、遅いのですが、お勉強になりましたよ。

 そして「掃除婦のための手引き書」ルシア・ベルリン 著

毎日バスに揺られ、掃除の仕事をする。そして、毎日、死ぬことを考える掃除婦。

 生きるということは生半可ではないのです。苦しいやら悲しいやら、つまらぬ差別になったり、美しくもないのです。しかしながら、それゆえ、逞しく生きていかなければならないのです。と、教えられているような気がいたしました。

 お友達のNさんのお勧めだったのですが、良い小説でした。一時期、評判にもなりましたね。

 ご主人様はここ数日はしっかりお休みするそうです。また、本を読み、音楽を聴き、たまには、ゴルフに練習もしようか? と思っているようです。

 お盆のこの季節、どうぞ、楽しくお過ごし下さいませ。