「尺には尺を」

27日には、オバマ大統領が広島を訪問されました。初めての訪問はまさに歴史的な一日であり、「核なき世界へ」「広島・長崎を決して忘れてはならない」と、その内容は歴史的なスピーチとなりました。
謝罪は無かったものの、被爆者の方、に語り掛け、抱き合う姿は美しく、精一杯の気持ちだと伺われた。
日本、そして、被爆者の方々は、特に謝罪を求めていなかった。と聞き、ご主人様は何とも言えない気持ちになりましたが、よくよく考えてみると、寛大な大人の選択のようにも感じました。
過去を振り返り、先人たちの罪を問いただしたところで、何も変わらない。視線は先の未来に向けるべきであろう。
また、日本が「謝罪」だけを求めるやり方をすれば、逆に他国からも大きな罪の謝罪を求められるわけで、結果的に良かったのかな!被爆者の方と抱き合う姿がそれを物語っている。双方の憂いと感謝が感じられた。
オバマ大統領は、ベトナムにも訪問し、ここでも歴史の清算に取り組んでいるとのこと。いずれにしても、その姿勢にはエールを贈るべきであり、
「核なき世界」に一歩だけでも近づいたようにも思う。

さて、先日、Q子に誘われて、蜷川幸雄氏演出の「尺には尺を」を見てきました。
蜷川氏は、演出家として世界的に活躍された方でした。斬新な演出と厳しい指導、灰皿が飛ぶ稽古場で、美人女優も、実力派役者も形なしであったと聞く。シェークスピアを日本的に解釈し、その演出は、世界でも評判だった。
偶然にも、氏の遺作を観ることが出来、有難いような気持ちになり、
そして、ライアンと蜷川氏の芝居を何度も見たことも思い出した。
最後の出演者の挨拶では、蜷川氏の写真が大きく飾られ、亡き後でも、しっかり芝居を観て指導をしていたのだろう。カーテンコールは何回も行われ、観客は皆、スタンディングオベーション。ご主人様は拍手をし続けた。それは感謝と最後のお別れなのだ。
さいたま芸術劇場に向かう舗道に、蜷川氏の手形がありました。そして、劇場内にあるレストランにはメニューに「尺には尺を」コースがあり、記念にQ子と頂きました。美味でしたよ。