ご主人様の歌舞伎とシネマ便り

 桜もようやく咲き、満開を迎えましたね。近くの公園ではお花見で賑わっておりました。今日は、強い雨風の悪天候ですが桜が散らされれないように…と願います。もう少しだけ桜を愛でたいところです。

 さて、ご主人様の歌舞伎です。「四月大歌舞伎」の昼の部に行ってまいりました。

 演目は「双蝶々曲輪日記」「七福神」「夏祭浪花鑑」です。

 どれもが楽しいお芝居でした。「夏祭浪花鑑」では愛之助さんの熱演が光りました。女形の二役でとても綺麗でしたね。ご主人様は満喫されたようでしたよ。

 お弁当は具沢山でこんな感じです。

 シネマは「オッペンハイマー」。アカデミー賞で最多7冠を受賞した作品です。

「原爆の父」と呼ばれた科学者・オッペンハイマーの苦悩を描いた作品です。戦争というものが悪いにせよ、原爆を落とされた日本としては、許せない気持ちが溢れて、とても考えさせられる映画でした。

 元々はヒトラー率いるドイツを攻撃するための開発だったそうですが、ドイツが降状したために、その矛先は日本に向けられ、一つの実験にされたのです。のちに「あの原爆がなかったら戦争は終わらずに、日本はもっと悲惨になっていた」という声すらあり、真実は時間と共に書き換えられてしまうものなのでしょうか。

 優秀な科学者や、政治家、知的な人々がそれぞれの「正義」を掲げても、結局は本当の「正義」を示すことが出来ず、人は愚かなものだと痛感致しました。

 もしも、あのヒトラーがいなかったら、世界はどうなっていたのだろうと思います。あれ程の非人道的なことをしても、一時的には民衆に愛されるヒーローであり、偉大なる指導者だったです。

 正義とか美徳、それは時代と共にその認識は変わるものなのでしょう。戦争という狂った時代の中では誰もが正しい判断はできるはずもなく、そのような時代に再び戻ることは決してしてはならない。とこの映画は一つのメッセージを残しています。

 三時間の長い映画ですが苦悩を表す音響も含め、少しも飽きることなく集中して観ることが出来ました。作品としては素晴らしく、観ないよりは、絶対、観た方が良い。とご主人様。ただし、あまり楽しい映画ではありませんけれどね…

 芝居は良い。映画も良い、見知らね場所に連れて行ってくれて、それは、まさに「旅」。自分を見つめる時間旅行なのです。とご主人様は仰っておりました。