ご主人様の本便り

 本当に残暑が厳しいですね、そして、いきなりの雷雨も…台風の影響もあって、いろんな場所で大雨の注意もあるようですね。

 アランドロン氏の訃報がありました。ご高齢というのもあるのですが残念でなりません。あれ程の美しい、元祖、イケメンはもうお目にかかれないでしょう。アランドロン以上のお方は今までおりませんでしたから。暫くはアランドロンの映画を見ようと思います。「太陽がいっぱい」に「冒険者たち」「サムライ」とか。心よりご冥福をお祈り申し上げます。とご主人様は寂しそうな眼差しで言っておられました。

 さて、ご主人様の本便りです。

 まずはイーユン・リー著の「千年の祈り」「黄金の少年 エメラルドの少女」

 イーユン・リー氏は中国の作家である。以前、ご紹介したようなウィリアム・トレバーのように素晴らしい作品を書かれている方です。初めて読みましたがその文体の美しさにため息が出ました。とご主人様は言っておられました。

 短編集ですが、そのどれにも、中国の歴史、文化、政治が絡んできます。中国に生まれて、それを誇りとするものの、どうにもならない理不尽さもあって、どうにも逃れられない苦しみ、そのようなことが垣間見れます。読み終えると、日本はいかに楽に暮らせる国なのか? あるいは危機感なく生きているのか? とちょっと恥かしくなりました。とご主人様は呟いておりました。

 作品の中には、年老いたおばあさんが少年に恋をする話とか、一家にある伝統、しがらみの中でしか生きられない話とか、代理妻、心を閉ざした中年女性の追憶など…どれもが胸に突き刺さります。テーマは愛と孤独と、そして優しさです。多くの文学賞に輝いた作品だそうです。

「あなたを知りたくて」オムニバス。

 これは日本と韓国の作家が「フェミニズム」をテーマにかいた短編集です。ベストセラーの「82年生まれ、キム・ジヨン」の作者、チョ・ナムジュ氏はじめ、西加奈子氏・高山羽根子氏…など、活躍している方々の作品集です。

 外国人であることの苦悩とか、恋愛、結婚、出産、離婚にまつわる女性の生きづらさなどが面白可笑しく、そして切なく描かれています。日本と韓国が持つそれぞれの世界感を感じました。大変面白かったですよ。

 「女と男」森瑶子 著

 離婚して子供とも別れた女教師が主人公です。一人、寂しさを紛らわすように旅に出るのです。そこではアバンチュール的な恋愛に似たことが幾度か起こるのですが、最後に落ちがあってゾクゾクしながら読みました。

 官能的な描写が多く、どれもが女と男の本音を語っているのですが、それが実に的を得ているのです。

 昨今は多様性であり、結婚も恋愛を経由せず、婚活で知り合うことが多いそうですね。森瑶子氏が描く小説は理屈ではなく肉感的で本能で恋愛をしているものが多く、逆に今、読むと新鮮で純愛のようにも感じられました。たまにはこのような本もいいですね。

「この部屋で君と」オムニバス

 部屋をテーマに描かれた短編集です。同じ部屋で一緒に暮らすということ、そして、その部屋を出ていくこと、部屋という空間の中にはたくさんのドラマが詰まっているのですね。それぞれ個性があって楽しめましたよ。とご主人様。

「10分間ミステリ」オムニバス

 文字通り、10分で読めるショートショートのミステリー集ですが、内容はかなり濃くて、読みがいがありました。

 読んでない本が山積みになっているのですが、もう少し涼しくなったら、たくさん読書したいと思います。とご主人様でした。