続・ご主人様の本便り

 最近はワクチンの話で持ち切りですね。

「もう打ちましたか?」「いいえ、まだ」「今度は二回目」とか、

 ご主人様にも接種券が届きましたが、オリンピックを控え、もう少し様子を見てから決めようと思っているそうです。

 さて、梅雨になりました。今日は良い天気でしたが、鬱陶しい時は、やはり読書が良いですね。ご主人様もよく読んでおりますよ。まずはご紹介。

 とある新聞に、小池真理子氏が〈月夜の森の梟〉というエッセイを載せているのですが、このエッセイが亡くなった旦那様、生前の藤田宣永氏に触れていて、とても切ないのです。大切な愛する人を喪った悲しみや寂しさがにじみ出ていて、ご主人様は毎回、読むたびに作者と同じ気持ちを抱いているそうです。

 そういうこともあり、小池真理子氏の小説を読むようになりました。美しい人が書かれる小説はやはり美しいですね。それぞれに艶めかしい大人の恋愛が描かれてます。

『蜜月』 『一角獣』 『玉虫と十一の掌編小説』 『ふたりの季節』

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 続いては町田そのこ 著 『52ヘルツのクジラたち』

 今年の本屋大賞ですね。涙なくしては読めませんでした。虐待の話なのですが、最後は優しさがにじみ出ている本でした。

 少し興味があったので、町田そのこ氏の他の作品も読みました。

『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』

 これは女による女のためのRー18文学賞受賞作品ですね。

『うつくしが丘の不幸の家』

 これらの本も身近な家庭、あるいは社会問題を取り上げていて、その内容は切実な現実を突きつけながらも、踏ん張って生きる人々を書いています。人間臭さが出ていて面白かったですよ。

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 金原ひとみ 著 『アタラクシア』

 幸せになるために結婚したのに、何故、こんなにも不幸なの?

という内容がいくつもの家庭にあり、それをズバズバと潔く書いていて、凄い力作だと思いました。面白かったです。そして考えさせられましたね。

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 高樹のぶ子氏 『少女霊異記』

 とある寺で働く一人の女性に何とも不思議なことが起こるのです。

日本最古の仏教説話集を基に書かれているのですが、それぞれが日本の風土に合ったミステリー仕立てでわくわくしました。大変面白かったです。一種のファンタジー小説といってもいいのかもしれません。

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川上弘美氏『溺レる』

 男女の機微をしっとりと書いています。文体が謎めいていて不思議な感覚を醸し出していて、ゾクゾクしながら読みました。

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 これはオムニバスです。せつない小説アンソロジー『男の涙 女の涙』

どれもが切なく、素敵でした。男の気持ち、あるいは女の気持ちがよくわかる小説でした。短編は読みやすいので、凄くお得な感じです。

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 最後は大好きな本です。

星新一氏 著 『ボッコちゃん』

ご存じ、SFショートショートです。説明いらずの名作ですね。何度読んでも面白いし、作者が当時、描いた未来が実際に今の社会になっていることに、先ずは驚きます。星新一氏は本当に素晴らしいです。ご主人様の愛読書です。

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 今度は何を読もうかな?とご主人様は本棚を探っておりましたよ。