ご主人様の本便り

 相変わらずの暑さです。ほんの少しでもいいから涼しくなってほしいものですね。

 さて、ご主人様の本便りです。

 初めにアンソニーホロビッツ 著 「殺しのライン」です。

アンソニーホロビッツ氏の新作。とにかく面白いとしか言いようがないほど、面白いです。大好きな作家で、ミステリーは良いですね。この次の作品も待ち遠しい!

「幻の女」ウィリアム・アイリッシュ 著

これは1942年の作品だそうです。映画にもなった「黒衣の花嫁」の作者です。

 ある日、家に帰ると、妻が殺害され、自身が容疑者になってしまう。アリバイを実証できるのは一人の女、幻の女なのですが…いや~最後までひやひやしながら読みました。とご主人様は言っておりました。

「ソウルメイト」 馳星周 著

 犬と人間を巡る物語の短編集です。どれもが温かい小説でしたよ。

「薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木」江國香織 著

 9人の女性たちの恋模様を描いています。職業も愛の形もそれぞれなのですが、皆、素敵な女性に見えるのは、一生懸命に恋をしているからでしょうか?人を好きになるのは良いものだな~と思ったり致しました。

「嫉妬・事件」アニー・エルノー 著

 今やノーベル文學の作家です。その昔、「シンプルな情熱」「場所」を読んで、素晴らしい文体に惚れ惚れしたものです。

「嫉妬」は元カレに新しい彼女が出来て、その彼女のことがどうしても気になり、気が付けば、その女のことで頭がいっぱいになる。という話ですが、どうして、そんな気持ち、嫉妬をしてしまうのかを自ら分析して語っています。

「事件」その昔の時代の中絶に関しての話で非常に考えさせられました。

「誰も知らぬ」太宰 治 著

 太宰治氏の短編小説集で、初めての小説ばかりでしたが、面白く、やはり、上手な作家だと思いました。書けない苦悩も綴っておりましたよ。 

「にんげんのおへそ」 高峰 秀子 著

 大女優でありながら、あくまで庶民の目線で描かれていて、センスがあって面白く読みました。

「わたしの童話」住井す江 著

橋のない川」の作家の童話集です。どれもが心温まる物語で、優しい気持ちになれましたよ。

「歳月がくれるもの」田辺聖子 著

 田辺聖子氏のエッセイです。文中に「いろいろな人と知り合って、いろいろな人を好きになれば良い。その方が人生が楽しいから」とありました。やりたいことがあったらどんどんやってしまえ~という気になりますね。自分の人生なんですから。楽しい気分になりました。

 故・住井すゑ氏、故・田辺聖子氏は、生前、女性の地位の向上、権利、その理不尽さに声を上げておりました。

 昨今、女性たちがその不公平さや生きづらさを言葉にすることが許される時代です。それは、いつの時代にも賢く、世の中を見据え、頑張ってくれた方々がいたからですね。そのように思います。とご主人様は言っておられました。

 暑い夏でも、読書は楽しいです。