はじめましての桜・・・

気が付けば、あら!桜はほぼ満開!ちょっと吃驚しました。
今年の桜は一週間ほど、早いそうですね。近くのスーパーに行くと、ビールは勿論、ポテトチップスやイカの燻製や、乾きものの子袋が置いてあり、早くも花見気分である。
桜は一つ見ると、それは、とても可愛い花で、一杯咲くと、豪華絢爛になり、ちょっと、日が落ちると、妖艶な花になる。咲いても散っても美しい。日本の心情にピッタリくるのだ。その美しさ、儚さ、そして、潔い花である。
桜に因んだ素敵な詩を見つけました。
新川和江さんの詞です。

「ことしの花の・・・」        

ことしの花の下にいて
去年のさくら おととしのさくら
いつの世かさえさだかではない
はるかな春の
おとことおんなに
散りかかっていた花びらを思う

そのあと
ふたりはどうしたか
父の父の 祖父だったかもしれない
母の母の 祖母だったかもしれない
そのふたり

花はいくど咲き いくど散ったろう
ひとたちはいくど会い
そうしていくど別れたろう
うららかに陽は照りながら
ひいやりとなぜか冷たい花の下に
ことしのひとと共にいて

なんと艶めかしいのかしら?桜って色香がある花、出会いと別れも物語り、まるで人の世を見透かしているようである。
思えば、花は一年に一度咲き、そして散る。そして、次の年にはまた、咲き・・・その繰り返しをきちんと行っているのだ。
その歴史は、人類の誕生と同じように、数えきれない時間を費やしている。今年咲く花は、去年咲いた花の子供かもしれないけど、そういう愛情の記憶や、長年の経験は全て、年輪に刻みこみ、咲くときは「初めまして」というのだろう。
「初めまして、私、「サクラ」です。宜しく」と。
アスファルトの割れ目から咲くタンポポも、「私、タンポポ、お願いだから、足で踏みつけないでね」と。
桜は入学式には欠かせないもの。少し、早い桜にちょっと躊躇するご主人様。入学式を楽しみにしている方も沢山いて、その時、桜がないと寂しいじゃない。せめて、桜吹雪だけでも、その時まで、残してほしいわね。
さて、花は毎年、「初めまして」と挨拶をする。私達も入学式に因んで、「初めまして」をしたらどうかしら?
ベテラン社員も「初めまして」と、新入社員のような気持ちで夢を持ち、仕事をし、長年のご夫婦も、初めましての気持ちで再び結婚式を行うのだ。そして、少し愛の醒めたカップルには初めてのデート。
「初心忘れるべからず」と言うではありませんか。少し、気持ちを戻していくと、今まで、気が付かなかったことや、忘れていたことや、そして、今、やるべきことが見えてくるかも知れません。
美しい桜を見て、今やるべきことは・・・・
小さくても、自分の花を咲かせることかな?な〜んてネ。