ライアンは今ここに

雨音は寂しさをより募らせるものだが、
悲しみはむしろ、晴れ渡る青空の中であらわれてくるものだ。
今日は曇り空。グレーの空が何故か心地いい。
今の自分に一番合っていると言うご主人様。


悲しみの言葉は「心にぽっかりと穴があいたよう・・・」と言う表現をするけど、ご主人様は、まるで「母親に見捨てられた幼子」のような気持ちらしい。
「途方に暮れる」とはこんなことかな?
子供なら泣きじゃくることも出来るけど、大人のご主人様はそうはいかない。


多くの方が葬儀はたいそう立派で、沢山の方にお見送りして、ライアンは寂しくなかった。
そして、ご主人様がいて、ライアンは本当に幸せだったと言ってくれた。
労いの言葉をすんなりと鵜呑みにはできないけど、もし、ライアンがそう思ってくれるのであれば、有難いとも思う。


さて、以前、中村勘三郎さんが亡くなった時に、大竹しのぶさんが「彼がいないことは考えられないので、ここにいる事にしました。」と仰っておりました。この意見には大賛成。


なので、ご主人様は「ライアンは今、ここにいること」に致しました。


今まで通り、一つ屋根の下、一緒に食事をし、お出かけも一緒。そうすることに致しました。

人づてに聞くと、ライアンはご主人様のライブを嬉しそうに聞いていたらしい。
このブログも楽しみにしていたし、また、ご主人様のお料理を自慢していたそうだ。

ご主人様のすること成すこと、それはライアンのお気に入りだったのだ。
ならば、これからもそうしなくては・・・と思いました。
ちゃんとお料理をして、花を愛でて、歌も歌っていこう。
(ブログは私が書かせますヨ)
いつもと変わりなく、質素に暮らし、されど、心は贅沢であるよう心がけよう。


これから秋も深まり、やがて冬が来る。
この冬は寒い方がいい。雪も降り、嵐が吹き、凍てつくような寒さであって欲しいと願う。
いつの日か、穏やかな春の日を望めるのであれば、苦しいほどの試練を与えてほしいとさえ切に願う。

今日のご主人様は、曇り空のグレーに溶け込んでいるようでした。