続・本を読むご主人様

急に寒くなって何を着て良いのか?少々鼻声のご主人様です。皆様は大丈夫ですか?風邪が流行っているようで、いつしかマスクが顔の一部になっているようです。

さて、本のお話です。このところのご主人様は本の虫というか、時間があれば本を紐解くようになり、これは良いことですね。

まずは『きいろいゾウ西加奈子
初めのページに絵本のような童話のような文字があり、かなり、可愛くて軽い本かな?と思っていたら、いやいやかなり深い本でした。
夫の名前は「ムコ」妻の名前は「ツマ」都会から田舎に暮らしている若い夫婦のお話。夫は小説家で妻は動物や植物の声が聞こえてしまう人でとにかく繊細な女性。
豊かな自然の中、周囲の方々との交流もあって、実にのびのびと生きている。しかし、夫には生涯忘れられない人がいて、妻はそれを感じ取り、不安に思うのでした。それは夫を思う気持ちなのです。
深くて重たい小説でした。でも、読んだ後は心が大きくふくよかになりました。愛って凄いことだと思いましたね。

きいろいゾウの絵本の内容は、空を飛ぶゾウさんのお話、身体の弱い少女のために世界を回るのです、何故、きいろいか?というと、常に月の光を浴びているからで、きいろいゾウさんは特別なのです。自分は特別であることにゾウさんは自信を持ち、自慢もしていました。でも、やがて、寂しくなって仲間と一緒になりたくなり、地上におりました。もうきいろいゾウではなく、灰色のゾウです。それでも、かつてない幸せに包まれたそうです。
きいろいゾウに少女の思いを馳せるあたりは、ジャズナンバーの「スカイラーク」を思い出してしまいました。

その人に合っている生き方というのがあるのだと思います。どんな形でもいい。愛をもって幸せを追求するのは、私たちの権利なのです。素敵な小説でした。

もう一冊、ご紹介いたしますね。
『ツバキ文具店』小川糸著
主人公は鎌倉を舞台の文具店。実は代筆屋でもあるのです。
祖母である先代から、幼き頃より、ありとあらゆる文字を習う。それは代筆屋になるための修行だったのです。
代筆の依頼は、『天国からの手紙』『借金のお断り状』とか、『離婚のお知らせ』など様々で、その用途に合わせ、用紙を変え、封筒も吟味し、ペンや文字も変える。手紙を書く心得というものがヒシヒシ伝わってきて、それはとても厳かな気持ちになりました。
鎌倉の自然も手伝って、淡々とした日々に色を添えます。こんな暮らしに実は憧れているご主人様なのです。

手紙って良いですね。ご主人様も書きたくなりました。勿論、相手はライアンですが。でも住所が分からなくて書けないのです。一度、ライアンに聞いてみたら、「俺も知らないんだよ」と言っておりました。
手紙とは相手に気持ちを伝える最も簡単で美しい方法です。
やはり、手紙を書きたくなりました。そんな優しい気持ちになりましたよ。素晴らしい本でした。

この二冊の本には、いつも風が流れていて、自然の豊かな清涼感があります。それだけでも、かなり癒される作品でした。
きいろいゾウと一緒に世界を回り、鎌倉でしばし、歴史を垣間見る。凄いスケールです。いいんじゃないでしょうかネ。是非、一緒に旅を致しましょう!