心うっとりライブ!

ご主人様が最も尊敬するジャズシンガーがいる。『金丸正城』氏である。
ご主人様は金丸氏に長いこと師事を仰いでいる。心の中でいつも『師匠』と呼んでいるのだ。なので、ここでは師匠と呼ばせていただくことにする。
師匠は実力とか歌唱力とか、そのような言葉を超越した方で、今のジャズ界を引っ張っていく大物シンガーである。師匠のジャズフィーリングは素晴らしい。特にスキャットは天下一品!多分、あのフランク・シナトラでさえ、拍手を送るのではないかと思うほど。それと、豊富な知識がこれまた凄いのである。
ご主人様が「あ!」と質問すると、「XYZ」と端的に分かりやすく、簡単に答えてしまうのだ。このテンポがたまらない。
ご主人様は師匠の事を密かに「歩くjazz辞典」と呼んでいる。
困った時にはいつも「この一冊」なのだ。
しかし、このフィーリングというのが非常に難しい。なぜなら、それは学ぶ事でもなく教える事でもなく、身に付ける事だからだ。おそらく、師匠は幼い時からそうゆう事を自然と身に付けていたのだろうと思う。それは『歌舞伎役者』のように長い年月を必要とするもので、簡単には出来ない事なのである。
さて、師匠のライブがあると聞き、ご主人様は上野にあるライブハウスに出向いた。気がつけば、かなりのご無沙汰である。ただ、2〜3ケ月前に神保町で行われたライブに顔を出したのだが、超満員で入れず、ちょっぴり悔しい思いをしたので、今回は何が何でもとの思いで伺ったのである。
会場に入ると、すでにお客様は数名いた。そのうちに「万輝さん」が来て、「こんにちわ 久しぶり」と挨拶。「万輝さんとは大きな舞台で活躍する美貌のジャズシンガー『三森万輝』さんのことである。とても気さくな方なのだ。」そして親しい友人とも出会う。お友達がいると、楽しさも倍増。
まずは演奏を聴き、そして師匠の歌を聴く。
改めて、その素晴らしさに驚かされた。全ての曲に「情景」が浮かぶのだ。
あ〜心で歌うとはこうゆう事なのね。と納得。
師匠は全てお客様のリクエストに応える。
リクエストといっても無理難題なものもあると思うのだが、さらっと自然体で歌う師匠。本当にスマートでダンディなのだ。
なかでもドラムレスでの『キャラバン』は圧巻。目茶目茶カッコよいのである。それと、「You Are There」。これは涙がでるほど素晴らしかった。
ふと見ると、ミュージシャンの方達もとても楽しそうで、きっと、演奏も気持ち良かったのでしょう。上質な歌声にはやはり演奏も上質になるのでしょうね。
もしかしたら、師匠は音楽の『魔法使い』なのかもしれない。
ご主人様にとって、今宵はそう思えた一日でありました。