Jさんのホームパーティと映画「リンカーン」

連休の終わりに、J氏のホームパーティに伺った。
J氏とはベテランのジャズシンガーで、そして、凄く優しい紳士なのだ。偶然、ジャズの学校の発表会の帰り道に会い、ちょっと世間話をしているうちにお招きを受け、是非是非と伺った次第。
J氏は何と、30年以上もジャズの勉強をしているという。ご主人様は15年で、自分では結構、凄いじゃないと思っていたのだが、とんでもない。上には上がいて、ご主人様はまだまだ子供。J氏は勿論、歌唱力はGOOD。そして歌心がこれまた素晴らしいのです。
さて、パーティですが、もう、吃驚!素敵なお宅に素晴らしいご家族に、そして音楽。まるで、良きアメリカのホームドラマのようで、羨ましいの一言。スワンダフルが3乗なのだ。まず、奥様を紹介して頂き、ご挨拶。「何かお手伝い出来ることがあれば・・・」と申し出たら、「じゃ〜これをお願い」と言われ、この気さくな感じが良いのです。素敵な奥様だなと思った。この瞬間から緊張も解けて、リラックスのご主人様。よく見たら、昔、知っていたミュージシャンの方も数名いて、嬉しい対面となったり、とにかく楽しい時間を過ごさせていただきましたヨ。歌だって歌っちゃったし、美味しいご馳走もお酒も沢山いただきました。ふと見たら、ジャズのDVDが映し出されていて、シナトラだった。行き着くところはやはりシナトラかな?あの軽さとセンスがたまらない。次に、エラ・フィッツジェラルドとジョー・スタッフォードが出ていて、何と、掛け合いで歌っているのです。目茶目茶、カッコよかった!このフィーリングにはどんな上手な方も勝てないな!やはり、ジャズは本場のジャズシンガーが一番なのだ。何も考えず、ズーット音楽を聞いていたかったな。本当に楽しい5月の一日でした。Jさん、ありがとうございました。
5月の別な日に、映画を見に行きました。スティブン・スピルバーグ監督の「リンカーン」である。スピルバーグ監督といえば、インディジョーンズにETにジェラシック・パーク・・・と沢山あるのですが、やはり、特撮ものが有名かもしれないね。ですが、実は、シリアスな感動的なものも沢山作っているのです。そして、いつも思うのが、彼の映画はさりげなく優しい愛がたっぷりと入っていて、それが、押しつげがましくないのです。だから、心にしみてくる。「シンドラーのリスト」もそうでした。スピルバーグ氏はユダヤの方ですから、いつかこの作品を作りたいと思っていたのでしょう。理由なき人種差別や人が人の尊厳を追い払う事に誰よりも苛立ちを覚えていたに違いない。素晴らしい作品でした。
そして、「リンカーン」。
アメリカ16代目の大統領。誰よりも愛された大統領である。250年も続いた「奴隷制」を廃止し、「人民による人民のための人民の政治」と唱えた方です。理由なき人種差別や、人が人を見下すこと、人の尊厳を分かり合えないのは愚かな事である。と説いたのだ。スピルバーグにとって、もっとも尊敬する方だったのかもしれない。何が何でも作りたかった映画、皆に真の自由を知って欲しかったのだろう。
映画は静かに始まり、静かに終わった。その静けさの中でリンカーンの情熱、真意が美しい炎のように映し出されていた。主演の方はアカデミー賞を受賞しましたが、熟した演技というか、細やかな演技が印象的でした。この映画では、脇役の方も素晴らしかったです。
特にトミー・リー・ジョーンズ演じる議員は最後に素晴らしい愛を見せてくれました。(これは見てのお楽しみですが・・)きっと、一番、言いたかったことはこの部分かな?と思えるような誠実な愛でした。
イヤー映画っていいですね!やはり旬なものは見たほうが良いですね。
それはそうと、レイ・ハリーハウゼン氏がお亡くなりました。92歳だったそうです。レイ・ハリーハウゼン氏と言えば、特撮の神様。知る人ぞ知る巨匠である。ライアンも大好きで、家にもいくつかのDVDがありますが、見る度に何故か子供のように興奮してしまいます。
人形や怪獣、おもちゃとしか思えないものに、息を吹き掛け、命を宿すのです。一コマ一コマ、動作を変えながら撮影する手法は、気が遠くなるほどの時間を要するものだが、出来上がったその映像は素晴らしく、愛らしく、楽しく、嬉しく・・どのくらいの方が癒されたか知れやしない。遠回しではあるが、実際、人形や怪獣は作りものであっても、愛情を惜しんではいけないことを教わり、それが、人としての優しさであることに気付かせてくれた気がする。
このレイ・ハリーハウゼン氏に影響を受け、尊敬してやまないのが、日本の円谷英二氏で、その円谷英二氏に影響を受けたのがスピルバーグ氏なのだ。人種も国境も越えて、素晴らしいものは素晴らしいと言い続けてきた方々。そのお蔭で、今こうして、素晴らしい映画を見ている。これはありがたい事ね。
さて、最近のニュースで、新大久保あたりで「朝鮮人!殺せ!」何て言う方もいるとかで、吃驚した。そんなことは、何が何でも止めて欲しい!そうでないと、どこかの国の教養のない野蛮な方と一緒ではありませんか!何があっても、日本人はそんな事してはいけない。日本人の品格を守ってもらいたい。
気が付けば、戦争が終わり長い年月が経ちました。もう少しで皆「戦争を知らない子供たち」だけになってしまう。そんな子供が大人になり、戦争や人を傷つけることを安易に考えないだろうか・・・と。殺気だってる若者を見ると、ちょっと、心配になってしまう。
リンカーンが命を懸けて、訴えた「奴隷」の解放。真の自由。その意味は何なのか!
先人たちが未来に向けたメッセージ。それは、人としての賢いメッセージなのだ。映画を見て、ふと、そんな気持ちがよぎりました。