白蛇伝

さてさて、先日、京劇「白蛇伝」を見てきました。
中国の四大民間説話のひとつで、千年の修行を積んで妖力を得た白蛇の精が美しい娘に姿を変え、ある青年と恋におち、純粋な愛を貫く物語。つまり、妖怪と人間の恋の話である。青年は妻が妖怪と知り、おののき驚き、疑いの目を向けるが、妻の優しい愛情にやがてほだされていく。「愛」には凄い力がある。それは、すでに妖力ではないのだ。

京劇の面白いところはやはり、アクション。雑技団を交え、見事な剣さばきはピシッ!ピシッと決まり、見ていて心地良い。ジャズでいうと、アフタービートがピタッと決まる感じで、ビッグバンド、オーケストラだと、音が見事に調和することだろう。コーラスでいえば、ハーモニーがきちんと取れ、まさに「快感」。
京劇は中国の古典芸能である。歌舞伎と同様に決まり事があり、諸々の表情や仕草に「悲しみ」「喜び」「怒り」を表している。そういう決まり事も古典ゆえ、美しい。

ちょっと悲しい話だが、中国では昔、女性には「纏足」と言って、わざと足を小さくさせていた。それは、たやすく逃げないようにするためであり、また、その小股でヨチヨチ歩く姿は、弱弱しく、可愛く映るのかもしれない。
ご主人様も昔、京劇を見た後は、冗談でよくその歩き方をして、ライアンを笑わせていた。考えて見たら、失礼な話ですね。

京劇は狭き門。まさに選ばれし者たちの演技を観れることはまさに至福の時。と喜んでいたのだが・・・

昨日は「尖閣諸島」に中国・ロシアが侵入したとある。国、政治と芸術、大衆とは同じという訳にはいかないようですね。
池袋の芸術劇場には大きなこけしが飾られておりました。