最近、じわりじわりと物価や光熱費が上がっている気がいたします、と言うか、世界的にも実際に上がっていますね。結局は、エネルギーの問題なのでしょうか?海の向こうの争いは何とかならないものだろうかと思います。
避難している市民への支援とかは勿論、大切なものではあるけれど、武器の調達とかになると、それは戦争を長引かせるものではないか?と疑問を持ってしまいます。重要なことはこの戦争を早く終わらせることだと思うのだけど・・・とご主人様は思っているようです。
今日は雨模様。そんな時は家で静かに本を読むか、音楽を聴くか、がいいですね。
さて、久しぶりにご主人様の本便りです。最近、作家別に読んでいるようです。
まず千早茜 著 「透明な夜の香り」
これは依頼者の望む香りを作る天才調香師の連作短編集で、その調香師の無臭の透明感が素敵でした。例え、その香りが破滅に導くとしても・・・
ミステリーチックで純粋で、最後は人肌のぬくもりが感じられました。
「人形たちの白日夢」
青いリボンと人形たちが紡ぐ幻想小説でした。童話だったり、ダークファンタジーだったり、その妖艶さにゾクゾクしました。
「からまる」
本当に人間関係がいつの間にか、からまる話で、生きづらさの中に懸命の生きる人々がいて元気になりました。
「西洋菓子プティ・フール」
祖父が経営する菓子店で、働くパティシエの孫が主人公。菓子店プティ・フールで出合う人々のそれぞれの人生、人間模様を語ったものです。読後感はさわやかで、明日も頑張ろう!と言う気持ちになりました。
「魚神」
姉弟のような育った二人は、まるで恋人のように結ばれているのです。貧しさゆえに別れ別れになり、そして再会する。幻想小説で不思議な怪しさもありますが、永遠の純愛の話でもあります。新人賞の作品です。
「男ともだち」
決して恋人でもない。でもずっと気になるともだち。何故か気が付けば、いつでもそばにいる「男ともだち」そんな人がいたらいいなと思います。友達以上、恋人未満。だからこそ、何でも言える。もしかしてその関係は消化不良かもしれませんが、面白い小説でした。
『恋愛中毒」山本文緒 著
昨年 お亡くなりになった作家です。どうしても読みたかった本です。
人を愛するあまり、真面目で不器用なゆえ、人を傷つけてしまう。うまく社会に溶け込めず、自分の殻にうずくまる。とても苦しい小説でした。そして、それは誰にもあることだと思いました。これは名作ですね。
「再婚日記」
これはそのまま題名通り。著者の再婚した時からの日記です。
何でも、著者は鬱病だったようで、その様子が詳しく、生々しく描かれています、そして、その申し訳なさや不甲斐なさや、傍にいる方々の感謝とか綴られています。
昨今、心の病に係るニュースも多いですが、本当に、辛い病だというこが分かりました。それでも元気にいようとする姿に心がキュンとなりましたね。
「天使の骨」「白い薔薇の淵まで」中山加穂 著
実は先ほどの「再婚日記」の中に偶然、中山可穂氏の本が挙げられており、どんな小説なのかと思い、読んでみました。同性愛の小説した。自身もカミングアウトされているそうで、大変面白く読みました。新たな世界観を知りえるのは、本好きのご主人様には有難いことですね。
二冊とも、切なく、同性愛ゆえの苦しさも垣間見えます。それでも、愛は美しく純粋なのです。それぞれの主人公にエールを送りたい気分です。
「ヘブン」川上未映子 著
この小説は凄く読みたかったのですが、中々手に取ることが出来なかった小説でもありました。何故なら、いじめの小説だからです、きっと、読めば、苦しく、辛い気持ちになるのが分かっていましたから。実際に読むと、その悲惨さや不条理さや、あえて、抵抗しないいじめにあう人の信念があって、それが胸を打つ。
強く激しい言葉、心を揺さぶる文章の力には只々、脱帽です。最後には光が見えたような気がしてちょっと安心しました、是非・・・
「オルタネード」加藤シゲアキ 著
これは昨年、評判になりましたね。オルタネードとは高校生限定のマッチングアプリ。現代の若者の気持ちがよく出ていて、凄いなと思いました。様々な思考が渦巻く悩み多い青春小説でした。著者はアイドルでもありますが凄い才能ですね。
「鏡の背面」篠田節子 著
救いを求める館の先生である人が亡くなった。その女性は皆から敬愛される人物。だが、亡くなったのは違う女性だった。というミステリーです。
著者の小説にはいつも社会の情景が描かれています。この本にも格差社会とか、行政からこぼれ落ちてしまう人とか、宗教とか、あらゆる問題を抱える女性たちが描かれていて、それはとても苦しいのだけど、それでも、きちんと読まなければという感じがしました。最後には希望が見えて、ホッとした小説です。
ということで、ご主人様の本便りでした。
ご主人様も随分、お読みになりましたね。今は何を読んでいるのかしら?