続・本を読むご主人様

ご主人様は、今回の「芥川賞」の作品を読んだところです。
1作目は「百年泥
これは、インドで日本語教師をする女性が、100年に一度の洪水に居合わせて、人々の記憶の断片と出会うというもので、災害と共に失いながらもまた蘇るというインドの仏教理念にも照らし合わせ、そして、自身の過去を振り返る。そんな内容です。
どこか、東日本大震災を思い起こされますが、文体は非常に飄々として明るい。それはインドという土地柄や、風習、宗教というものがあるからでしょう。
見知らぬインドという国が少し分かったような気が致しました。

もう一つは「おらおらひとりいぐも」
夫を亡くした女性の孤独とこれから生きていく再生の話。
74歳の女性は、勿論、子育てもしっかり終えた大人で、時々感じる「孤独」もコントロールしていると自負していたのだが、それでも、突然訪れる「コドク」と「衰え」に打ちひしがれてしまう気持ちを切々と描いている。
心情的には良く分かるな〜とご主人様。
いつかは必ず訪れる「別れ」。悲しみを乗り越えるには「悲しみ」と共存することなのです。愛する人とお話をすることなのです。
本当に良く分かるな〜と、もう一度、ご主人様は言っておられました。

こちらの作品が「日本」なら、「百年泥」は「世界」かしら?
そんな違いがあったように思います。
共に力作ですらすら読めましたし、面白かった。