THE 歌舞伎 秀山祭9月大歌舞伎

暑さ寒さも彼岸までと言いますが、本当ですね。昨日からやっと涼しくなりました。ちょっぴり安心。だけど、急に涼しくなると、体調がついていけず、今日は一日グダグダとしています。
さて、先週ですが、「お墓参り」に行きました。何故か、ライアンとご主人様のご先祖様のお墓は同じ墓地にあるのだ。これも何かの縁ね。また、偶然、ギターの牧野さんも同じで、よく「あの世でも仲良くしましょうね」なんて冗談を言ったりして・・・。しかし、同じ墓地とは非常にラクチンである。同じ日に2つの墓参りができるのですから。墓石や雑草を綺麗にして、お酒やお供物を並べ、花を飾り、線香を焚き、煙がいっぱい立ち込めると、なんとなく、ご先祖様も喜んでいるかのように感じてしまう。手を合わせ、感謝の気持ちを伝えるが、すでにご主人様はどこから見ても大人であっても、親の前では、侘びてばかりの情けない子供になってしまう。やっぱり子は親を越えられないと言うけれど、本当だなぁ〜と思ってしまう。
とりあえず、季節の行事を済ませ、ホッとする。気持ちはとても清々しいのだ。
そうだ、この前、歌舞伎に行きました。今回は秀山祭9月大歌舞伎で中村吉右衛門さんです。午後の部ですが、演目は時今也桔梗旗揚(ときはいまききょうのはたあげ)と、京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)でした。
最初のお芝居は明智光秀織田信長扮する(光秀と春永)のお話で、春永が光秀の言動を誤解し腹を立て、侮辱するのである。ある場面では酒を飲めと言い、お前にはこれがお似合いだ。と、馬桶で飲め!と言う。要はお前は馬にも及ばぬ人間だとなじる。あまりの屈辱に耐えながら、それでも酒を浴びるように飲む光秀。この時の吉右衛門さんは素晴らしかったですよ。そして、復讐を誓い、最後にグリグリと大見えを切る。カッコよかったな。歴史上でも「本能寺の変」は有名なので、非常にわかりやすかった。だけど、信長を信じ、家臣となり、面目が潰れただけでクーデターを起すのかどうか?疑問ではあるが、このお芝居のように酷い仕打ちをされていたのであれば、分からないわけでもない。と思ったりして・・・
続いての演目はあの有名な「道成寺」。大きな鐘がド〜ンと落ち、娘が本性を表し蛇になる話。
昔、ある番組で、この鐘は相当の重さで、何かあったらそれは大変なことになってしまう。この瞬間の役者さんの心拍数は相当な数値になり、まさに命がけ。ということを聞いたことがある。
また、この舞踊は一人が1時間近くも踊り続けるので、それは相当の実力や体力がなくてはならないので、踊れる方は少ないのだ。今まで、いろいろな方が演じてきたが、「成駒屋」では五代目、中村歌右衛門さんが当たり役とし有名。以来、芝翫さん、福助さんと続き、いわばお家芸。この日は福助さん。素敵でした。謡いに合わせお着替えをし、最後に見せた蛇になるくだりは怪しげで、それはそれはドキドキものでした。福助さん、アッパレ!美しかったです。
美しいと言えば、この日、歌舞伎の前に「フェルメール」を見ました。といっても美術館ではありません。最先端のデジタル修復技術によって蘇った「フェルメール 光の王国展2」なのだ。37点の全ての作品に小林薫さん、宮沢りえさんの解説があり、まるで映画を見ているようで、かなりリッチな気分。そんなご主人様を「真珠の耳飾りの少女」が見つめていました。その瞳の輝きは言葉では言えないほど、美しかった。
以前、このコンサートに行ったことがある。その時にフェルメール銀座の館長・福岡伸一さんの話を聞き、ウットリ。そして音楽は久石譲さん。これまたウットリ。だけど、その日は音楽で充分満たされ、絵を見る余力はなかったので、いつか見たいと思っていたのだ。なので、この日見られて大満足なご主人様でありました。この催しは11月までやっているそうですヨ。