続・本を読むご主人様

昨年の芥川賞村田沙耶香さんの「コンビニ人間」が文庫本になったので、早速購入いたしました。昨年はブームになりましたね。
やることなすこと、普通ではなく、社会に疎まれ、変人と呼ばれる主人公。コンビニで働くことで、生きている実感を初めて味わい、コンビニだけが家族であり、主人公にとっては心を癒せる場所なのです。

生きづらい事って多々ありますね。
最近、発達障害という言葉も良く出てきて、多くの方が何かしらの悩みを抱えているのだろうと思います。
障害というのでなくても、例えば、仕事が凄くできる人なので、お片付けが全くできないとか、吃驚する程、優秀なのに、コミュニケーションの方法が分からないとか・・

普通というのは、「ありふれた・一般的に・多くの方と同様に」という意味らしい。
皆と同じ考えを持つことが普通として、そんな人ばかりだったら、それは相当キモチ悪いことですね。

主人公が何とか社会に繋がろうとして頑張る姿は痛々しいほど、悲しい。普通の人には分からない辛さが山のようにあるのです。

コンビニは1973年に日本で出来たそうです。その当時は何とも中途半端な立場で見向きもされなかったのが、今や、コンビニなしでは生活できない、必要な場所とまでなりました。

コンビニには外国の方が多く働いておりますが、日本の事を最も良く知る勉強にもなるらしく、そういう意味で働く方も多いようですね。外国の方が流暢に日本語を話すのを見て、ご主人様は只々、感心してしまいます。

コンビニは今や、日本の社会を映し出す鏡であり、「コンビニ人間」も同様だと思いました。
面白かったです。作者の他の作品も読んでみようと思いました。
ところで、作者はいまも、コンビニで働いているのでしょうか?