ミュージカル 「シラノ」

久しぶりの大雪。雪を見ると、気持ちはウキウキなのだけど、生活することを考えると、「どうしよう?」と不安になり、転んで怪我をすることは避けたいとばかり願ってしまう。雪国の大変さを身に染みて思ってしまいますね。
さて、1週間前ですが、ご主人様はミュージカルを観劇されました。「シラノ」である。
「シラノ」とは、17世紀中頃の騎士、シラノ・ド・ベルジュラックのことで、あの大きな鼻の方です。素晴らしい剣豪であり、愛の詩人でもあった。彼は従妹のロクサーヌを心から愛していたのだが、大きな鼻であるが故、醜い容姿を恥じ、打ち明けられずにいた。
美しく成長したロクサーヌは恋をする。同じ隊に属する、美男のクリスチャンである。ロクサーヌはクリスチャンに戦場にいてもどこにいても「私に手紙を書いて・・」とお願いする。
クリスチャンは渋々、ロクサーヌの懇願を受けるのであるが、手紙なんて、ましてや恋文など書けるわけがない。そんな哀れなクリスチャンをみて、シラノが代理として恋文を書くことになるのだ。心から愛しているロクサーヌへの手紙。これはシラノにとっては待ち望んでいたことでもあった。
やがて時が過ぎ、クリスチャンが戦死し、喪に服すロクサーヌ。いつも励ましていたのはシラノであった。
そんなある日、シラノが瀕死の怪我をしてしまう。彼がくちずさんだのは・・・・かつての恋文であった。
その時、初めてロクサーヌは知るのである。恋文はシラノは書いたもので、シラノはロクサーヌのことを愛していたこと。そして、ロクサーヌもシラノを心から愛していたことを・・・。
シラノを演じていたのは鹿賀丈史さん。素敵だったわ!初めてのミュージカルも鹿賀丈史さんだったっけ。ご主人様は大ファンなのだ。まれにみる才能に恵まれながらも、容姿のコンプレックスがあるため、いつも一歩下がってしまうちょっぴり情けないシラノ。無理な事と分かっていても、恋心を美しい旋律に乗せる優しいシラノ。そんな繊細なシラノを鹿賀丈史さんは演じておりました。何でも芸能40周年だとか・・・
そして、この日のロクサーヌ濱田めぐみさん。以前に「ジギルとハイド」の芝居で初めて見て、感動したのを覚えています。情感あふれる女優さんで演技は勿論ですが、美しい歌声ですっかり魅了されてしまいました。
素敵なミュージカルで帰り道では急に歌いたくなってしまったご主人様。
「シラノ」という方は河島英五の「時代おくれ」のような方ですね。『一日2杯の酒を飲み…好きな誰かを思い続ける・・・時代おくれの男になりたい・・』
なりたいというのだから、中々なれないのでしょうネ。きっと。
シラノは殿方にとって男の憧れなのだ。
シラノのようなおじ様がいるのなら、是非、お友達になりたい。午後のカフェテラスでお茶を頂きながら、昔の恋のお話や愛の調べを聞いてみたいワネ。