岩波ホール

14日には菊之助さんの婚約会見がありましたネ。
お相手は中村吉右衛門の御嬢さんだという。まさに良縁ではないですか!お二人のお父様は人間国宝になられているお方。凄いわね。会見を見ていたが、菊五郎さんと吉右衛門さんのやり取りが面白くて…流石!楽しませて頂きました。歌舞伎界が最近、悲しいニュースに包まれていたけど、ふっと湧いた朗報に嬉しくなってしまう。(とはいっても、ご主人様は菊之助さんのファンですから、本当はちょっぴり寂しい気持ちもありますが・・・)何と言っても、今の歌舞伎界を引っ張っていくのは、菊五郎さんと吉右衛門さんなのだ。
菊之助さんも益々、芸に磨きをかけ、お父様を楽にしてほしいな〜なんて思います。
さて、同じ日に、ご主人様はちょっとした用事があって神保町に出かけました。神保町は本の街、文化の街である。道行く人が何故か知的に見えてしまう。散歩しているだけで心が豊かになるような気がするのだ。老舗のビアホールや洋食屋さん、古い喫茶店もあり、入ると、昭和の懐かしい香りがするようである。
神保町で好きな場所がある。それは「岩波ホール」。支配人は高野悦子さん。その日のニュースでお亡くなりになったと聞き、とても残念に思った。
岩波ホールは映画館である。興行成績や人気にとらわれず、常に質の良い映画をお客様に提供していて、ご主人様も何度か見に行ったことはあるが、岩波ホールでの映画を見るたびに、賢い大人になった気がしたものである。人間ドラマや女性ドラマ、心の内を深くさらけ出すその映像に、沢山の勇気を頂いたような気がする。
その昔であるが、韓流ドラマの「冬のソナタ」の講演会があり、そのゲストが高野悦子さんだった。確かこんなことをおっしゃっていました。
「いい年して恥ずかしいですが、冬のソナタを良く見ています。何故か、見ていると、ときめくんですよね。このときめきの気持ちが、まだ、自分にあることに吃驚すると同時に、とてもうれしく思うんです。人は幾つになっても「ときめく」ことは大切だと思いましたし、これからも、ときめいていたい。そう思うんです。」と。胸には「ポラリス」のネックレスがキラリと光っていましたっけ。
以前のブログで、「女性は少女には戻れない」と言う事を書いたけど、高野悦子さんは少女と言う言葉がピッタリ合う方ですね。
五月の風をあびながら、草原をまっすぐに駆け抜ける少女がイメージされて、それは、活発で、凛々しく、そして、とても貴賓にあふれているのだ。素敵な才女で、ずっと、ときめきながら、楽しみながら人生を歩いていたような気がする。
高齢ゆえではあるが、とても寂しい気持ちである。
さて、この街には「ディスクユニオン」がある。このお店はCD屋さんで、ジャンルごとに、中古のCDが沢山あるのだ。
ついでだから、ちょっと覗いて行こう!とご主人様。ちょっと覗くというのは、ちょっとお買い物をしよう!と言う事であり、行けばちょっとでは済まないのである。まずはJAZZ。結構良いCDがありました。アイリーン・クラール、ニッキ・パロット、ヘレン・メリルアビー・リンカーン。聞きたかった曲もあったので、大変、満足なご主人様。
よせばいいのに、ブラジル系コーナーに行き、いくつか購入。ただ、予備知識があまりないので、失敗覚悟で面白そうなものを買ってしまう。「イタマーラ・コーラックス」さんというシンガーのCDには、カルロス・ジョビンがピアノを弾き、ロン・カーターがベースで、何と、渡辺貞夫さんも演奏に参加しているのである。それだけで、エ!これって凄いんじゃないの?って思ってしまうのよね。聞いてみたら、良くわからなかったけど・・・これもお勉強ネ。
こんないっぱい買ってしまいました・・・トホホ・・・

神保町は本の街。文化の街。だけど、時として映画の街で音楽の街でもあるのだ。