親子の絆と遺産

大変、痛ましいニュースがありました。新生児取り替え事件。60年前のことである。
ずーと違和感を感じながら、暮らしてきたという。今回、実の兄弟が調査をした結果、この事件が発覚したというものだ。
本来ならば、一緒に暮らすはずの家庭は、教育熱心で比較的、裕福な家庭。そして、育った家庭は、母子家庭で生活保護を受けていたという。
生活環境が全てではないが、育った環境の中で、考え方も生き方も、そして、性格だって変わることもある。だとすれば、それは、大きな要素があると思うのだ。
TVに写るその方は「本当の家族と暮らしたかった」と言い、「育ててくれた母にはとても感謝している」と言う。きちんとした優しい方のようですね。
そして父になる」と言う映画がありましたが、深い思いで考えさせられました。
親子の絆はDNAか?それとも、一緒にいた時間なのか?
何度でもやり直せるのが人生。されど、後戻りができないのも人生。
やりきれない思いの長かった時間、どうか、自分を取り戻して、いつの日か、この運命の悪戯さえも許す日が来ることを、祈るしかありません。
親子の絆ではないが、随分前に「婚外子」における遺産相続分を婚姻している子供と同様にするとの判決がありました。
今までは、婚外子は婚内子の相続分の半分だったので、これは、大きな波紋を呼びましたね。
この件の発端はお金の事ではなく、人として、婚外子の価値は半分なのか?と言う事に異議を申し立てていたのである。裁判所は同じ親からの子供、それは、人として同様であり、人間の尊厳を傷つけるものでない。としたのである。
時代も変わりましたね。誰から生まれようと、子供は子供。その存在は素晴らしいものなのだ。
このことで、一部の国会議員から「家族の在り方が崩れる〜壊れる〜」と、反対の声もあったらしいですが、一体、何が家族の在り方ですかね?今や、3組に1組が離婚する時代。まるで絵に描いたような、無償の愛に包まれた理想的な家族がどれくらいいるのかしら?
この件の家族は、本妻とは、わずか2年で家庭崩壊、だけど、籍は入っていて、別な女性とは、10年以上生活を共にしている、いわば事実婚のようなものだと聞いている。ならば、家族の在り方はどちらなのかしら?今や、家族の在り方は多様化し、本当の姿は計り知れない。
さて、遺産相続できると言うのは、それは、財産が有り、お金もあると言う事である。こういうオウチって、何故か、兄弟仲も悪かったり、結構、家庭がぎくしゃくしていることが多い。(勿論、聞いた話よ)相続の段階では尚更である。得てして、故人に何一つ貢献しなかった人が大騒ぎし、自分の権利に声を大にするものなのだ。
もしも、やがては遺産になるようなものがあるのなら、今からでもきちんと考えておくべきですね。
自分が愛している人、自分に尽くしてくれた人、そして、自分に幸せを教え、その時間を共有してくれた人。貴方にとって心から感謝している人は誰ですか?それは、旦那さまや奥様、子供かもしれないし、かけがえのない友人かもしれない。
「何も持たずにこの世に生まれ、何もこの世に残さず死んでいく」
ゼロから始まり、ゼロで終わる。こういう生き方が一番いいのかな?
人生とは自分で切り開いていくもの。一生懸命、苦労し、努力し、自分の力で得た人生。だから、味わいがあるのだ。
もしも、ご家族がいるのなら、それこそが本当の遺産ではないでしょうか?