ご主人様の本便り

 坂本龍一さん、ムツゴロウさんの訃報がありました。素敵な方でしたね。残念でなりません。

 坂本龍一さんの「戦場のクリスマス」「ラストエンペラー」好きでした。ライアンと一緒にコンサートに行ったこともあります。ご主人様はその時のことを思いだしているようです。

 ムツゴロウさんの動物愛は素晴らしいものでした。たくさんの優しさを教えられました。ムツゴロウさん曰く「動物は飼いならすことができても女房だけは無理だった」と仰っておりましたが、これは名言かもしれませんね。心よりご冥福をお祈りいたします。

 さて、ご主人様の本便りです。最近、ご主人様は忙しいようで、ついついご紹介が遅くなってしまいました。

 まずは「ベイルート961時間」関口涼子 著

 ベイルートレバノンの首都でかつては中東のパリと呼ばれた美しい街でした。ですが、内戦が続き、空爆、爆発と街は壊され、そして今でも経済的にも困窮を強いられているのです。そんな中でも希望を忘れず生きる人を「食」を交え、綴ったエッセイです。素晴らしい本でした。どんなことがあっても生きることを忘れてはいけない。心強く励まされ、また、考えさせられる本でもありました。

「月の満ち欠け」佐藤正午 著

 温かくなる本ですね。どこかで愛しい人の生まれ変わりがいて、自分を忘れずに覚えていてくれるのです。それはファンタジーかもしれませんが、そのことで誰かを深く愛したことを思いだす。素敵な話だと思いました。

 「JR 上野駅公園口」柳 美里 著

 1933年天皇と同じ日に生まれた一人の男。出稼ぎで上野駅に降り立ち、その後の人生を語っています。ホームレスの悲しい話ではありますが、人間味があって、それがとても温かく、泣ける小説でした。

 「奇跡」 林真理子 著

 とある歌舞伎役者の妻と、とある写真家の恋が描かれています。不倫という言葉が美しくさえ感じる内容でした。ですが、あまりにもきれいに描かれていて、ちょっと出来すぎなようにも思いました。これは実話だそうです。

「自転しながら好転する」山本文緒 著

 自転とは地球が地軸を中心にして一日に一回転する運動で、公転は地球が太陽のまわりを一年に一回転する運動だそうです。

 巡り巡って人生はどうなるかわからない。だからこそ、人生は楽しいし、面白い。そう思います。ご主人様は山本文緒氏のファンですからね、楽しく読めたそうです。

「すべての月すべての年」ルシア・ベルリン 著

 あの「掃除婦にための手引書」の作家です。何とも言えない味のある小説でした。事実に基づいていて、どの場面にもいろいろな友人が登場して賑やかで楽しそうに見えるのですが、それが実に寂しく孤独が漂っているのです。だからこそ、共感できるのだと思います。良い本ですね。

 ということで、またご紹介したいと思います。お楽しみに。とご主人様は言っておられました。